熊本日英協会(The Kumamoto Japan-British Society)

第二回『英国料理をご一緒に』

昨年、大好評だった「英国料理をご一緒に」の会。

 

今年も平成31年3月7日に、福田病院様のご厚意で開催されました。

 

 

美しいレストラン、器やカトラリーにも感動しつつ、

 

福永明春 料理長(レストラン レ・セゾン)のメニューを心ゆくまで五感で堪能し、、

 

 

 

 

みな大満足!笑顔で会場をあとにすると空には大きな虹が!

 

 

まさに熊本と英国をつなぐ虹の架け橋??

幸せな一日となりました。

 

 

大塚博 福田病院 総料理長

 

熊本日英協会創立25周年記念講演(概要)

『セント・アイヴスと芸術家たち』

 

熊本市現代美術館館長 桜井 武 氏

 

 英国で最も美しい観光地のひとつであるセント・アイヴスは、イングランド南西部のコーンウォール地方の先端に位置し、長年にわたり多くの芸術家を引きつけ、創造行為へとかきたててきた小さな港町です。荒々しい海、白く切り立つ崖、ふくよかで深い緑をたたえた平原、古代文明がいたる所で明滅する大地。そして澄み切った空気と光、それに鮮やかな色彩をみせる劇的な風景は、十九世紀以来、画家、彫刻家、小説家、詩人、そして工芸家たちを魅了し、育んできました。美しく映える海と、古代民族の遺跡が散在するこのあたりは、トリスタン伝説の発祥の地でもあります。

 

 ここを訪れた偉大な芸術家の中には J・M・W・ターナーがおり、この地で彼が描いた水彩画はロンドンのテイト・ギャラリーに残され、今でも見ることができます。そして驚くべきことに、それが描かれた1811年当時と現在の街並みが、ほとんど変わっていないのです。今でもターナーが見た同じ視線で、私たちはセント・アイヴスを見ることができます。

 

 第一次大戦中には小説家D・H・ロレンスが訪れ、その風景の美しさに狂喜し、至福と絶望の入り混じった2年間を過ごしています。1920年には陶芸家バーナード・リーチと浜田庄司がやってきて、セント・アイヴスに登り窯を築きます。これが日本の影響を色濃く帯びたイギリス陶芸の新しい伝統の出発点となり、以来現在にいたるまで陶芸のメッカともなっています。そして20世紀英国美術を代表する女流彫刻家バーバラ・ヘップワースは、ここを制作拠点とし、終の棲家としました。

 

 1993年には瀟洒な海辺の美術館、テイト・ギャラリーの分館がここに建ちました。数世紀にわたりこの地の魅力に捉えられた芸術家達の作品が、それが制作された環境のなかで鑑賞できるのです。セント・アイヴスでは時空を超えて、芸術家達の創造の原点に限りなく近づくことが可能となるのです。

(平成30年12月)

講演中の桜井氏

 

熊本日英協会 会報(vol.41 2018.12.20発行)より